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妊娠中にうなぎは注意!授乳中は食べてもいいの?【助産師が回答】

妊娠中のうなぎは避けるべきといわれていますが、授乳中は食べてもよいのでしょうか?うなぎに含まれるビタミンAが胎児におよぼす影響や、妊婦さんの摂取量をあらためて整理。赤ちゃんに母乳を与える時期の食生活についても助産師が回答します。

目次
妊婦さんに「うなぎが要注意」な理由
ビタミンAを過剰摂取するリスク
ビタミンAは必須栄養素でもある
量はどれくらいなら食べてもよい?
ポイントは「過剰摂取」を控えること
うなぎ以外の食品にも注意をはらう
妊娠中のうなぎについて疑問を解決
妊娠初期・中期・後期のビタミンA推奨量
妊娠中にうなぎを食べてしまった場合
つわり中の「栄養補給ゼリー」について
授乳中もうなぎをガマンするべき?
うなぎを食べると母乳の質が悪くなる?
授乳中はどれくらい食べてもいいの?
うなぎを食べると乳腺炎になりやすくなる?
どうしてもうなぎが食べたくなったら

※この記事は有資格者(助産師・看護師)の協力のもとに執筆。さらに医師の監修を経由して公開しています。

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妊婦さんに「うなぎが要注意」な理由

鰻重1人前

画像:ビタミンAの豊富なうなぎ(phto AC)

ビタミンAを過剰摂取するリスク

一般的に、うなぎは「妊娠中に食べすぎてはいけない」といわれています。理由はうなぎがビタミンAを多く含む食材だからです。

実は妊娠中にビタミンAを過剰摂取すると、胎児の奇形や先天的な異常につながることがあります。おなかの赤ちゃんの目や耳、あご、肺および心臓などへのリスクや、水頭症のほか口蓋裂なども懸念されているのです。

特に妊娠初期は赤ちゃんの体のさまざまな器官がつくられていく重要な時期。妊娠を計画している方や妊娠3ヵ月(妊娠12週未満)までの妊婦さんは、ビタミンAを多く含む食品やサプリメントなどの継続的な大量摂取を避けるよう推奨されています。

またビタミンAの過剰摂取はお母さんの体にもデメリットがあり、症状は頭痛や吐き気、下痢などです。

ビタミンAは必須栄養素でもある

過剰摂取を避ける反面、ビタミンAは胎児の成長に必須な栄養素です。

ビタミンAが不足すると、お母さんや胎児の感染症の増加や、早産などを引き起こす可能性があるといわれています。

ビタミンAは体内でつくり出せない栄養素のため、食事を通して適切な量を摂取することが大切です。

なお緑黄色野菜などの植物性食品に含まれるプロビタミンA(カロテノイド)は必要な分だけビタミンAに変換されるため、緑黄色野菜をたくさん食べてもビタミンAを過剰摂取してしまう心配は少ないとされています。

そのため、ビタミンAは緑黄色野菜を中心に摂取することがおすすめですよ。

量はどれくらいなら食べてもよい?

鰻の蒲焼きと肝串

画像:うなぎの蒲焼きとうなぎの肝串(phto AC)

ポイントは「過剰摂取」を控えること

妊婦さんが推奨されているビタミンAの摂取量は次のとおりです。

・推奨量 妊娠初期~中期:1日650~700㎍RE

・推奨量 妊娠後期:1日730~780㎍RE

耐容上限量:1日2,700㎍RAE

※耐容上限量とは健康障害のリスクがないとみなされる摂取量の上限。

結論からいうとビタミンAの摂取量が過剰にならなければ、妊娠中にうなぎを食べても問題はありません。

たとえば、うなぎ丼を2人前以上食べ続けるのは心配ですが、ひと口大の少量であれば気に留めるほどではないでしょう。うなぎはビタミンAの豊富な食材ですが、摂取量を管理すれば怖がる理由はないということですね。

ただし、うなぎの肝はうなぎの身よりもビタミンAを多く含んでいます。そのため妊婦さんは「肝串」や「肝吸い」などをうなぎと一緒に食べるのは避けましょう。

うなぎ以外の食品にも注意をはらう

ビタミンAはうなぎ以外の食品にも含まれているので、摂取量の合計が超過しないよう注意が必要です。いくらうなぎを節制しても、その他の食品で過剰摂取しては意味がないことを覚えておきましょう。

うなぎ以外にビタミンAを多く含む食品

参考までにビタミンAを多く含む食品を以下に記載するので、うなぎと比較してみてください。

食品名

ビタミンA

含有量

100gあたり

1人前の目安

重さ/

ビタミンA摂取

摂取量の目安

うなぎの蒲焼

1,500㎍

100g/1,500㎍

1日3分の1

50g/500㎍

レバー(鶏)

レバー(豚)

14,000㎍

13,000㎍

レバー串1本40g

鶏 5,600㎍

豚 5,200㎍

週に1本程度

またはそれ以下

継続摂取は避ける

うなぎの肝

4,400㎍

肝串1本30g

1,320㎍

肝串は週に1本程度

ぎんだら(生)

1,500㎍

1切れ80~120g

1,200~1,800㎍

1日3分の1切れ

30g/450㎍

ほたるいか(生)

1,500㎍

1杯10g~20g

150~300㎍

1~3杯まで。ただし生は食中毒のリスクを懸念。

あんこうの肝

830㎍

1人前50~100g

415~830㎍

2切れていど

50g/415㎍

食塩不使用バター

800㎍

大さじ1・12g

96㎍

60gまで 60g/470㎍

※脂質の量およびカロリーに注意

レチノール活性当量(㎍RAE)

うなぎを食べる日は、ビタミンAを多く含む他の食品も避けましょう。

また効率良く栄養を摂取できるサプリメントは要注意です。商品によって異なりますが、マルチビタミンサプリで1粒あたり600~700㎍もビタミンAが含まれています。

妊娠中のうなぎについて疑問を解決

おなかを気にする妊婦さん

画像:おなかの赤ちゃんを気にかける妊婦さん(phto AC)

先述した以外にも、妊娠中のうなぎについていくつか疑問はあります。

妊娠初期・中期・後期のビタミンA推奨量

たとえばうなぎは特に妊娠初期に注意するといわれているので、「中期になれば大丈夫なの?」「いつから食べてもいいの?」と思う妊婦さんもいるようです。

そこで助産師さんに、妊娠初期・妊娠中期・妊娠後期のそれぞれに食べてよいうなぎの量について整理・回答してもらいました。

妊娠初期・妊娠中期

(16週未満~27週)

妊娠後期

(28週以降)

うなぎの摂取量/1日

45g

50g

ビタミンAの推奨量/1日

650~700㎍RE

730~780㎍RAE

ビタミンAの耐容上限量/1日

2,700㎍RE

2,700㎍RE

妊娠中にうなぎを食べてしまった場合

「妊娠中にうなぎを食べすぎてしまったかも……」と不安に思っている方もいらっしゃると思います。またその他の食品をあわせるとビタミンAを多く取って心配になったという人もいるでしょう。

結論からいうと、もしうなぎを食べすぎてしまった日があったとしても、そこまで心配する必要はありません。先述した「耐容上限量」とは、ここまでなら毎日食べても健康上のリスクがないというラインのこと。一度でも食べすぎたら危険というわけではないのでご安心ください。

<具体例>

たとえば、うなぎと同じくビタミンAを多く含むレバーについて、日本産婦人科学会では「鶏や豚レバーなら30gを週に1~2回食べるていどなら心配ない」としています。

鶏のレバーは、たとえば焼き鳥のレバーなら1本(約30g)食べるだけでビタミンAを約4,200㎍摂取することになり、妊婦さんのビタミンA耐容上限量2,700㎍をオーバーする量です。

そのため、週に1~2回耐容上限量を超えても、そこまで心配する必要はないと解釈できます。

もし気づかずに食べすぎてしまったとしても、当面はなるべくビタミンAを多く含む食品を控えめにすれば問題ないでしょう。

つわり中の「栄養補給ゼリー」について

妊娠初期はつわりが激しくて、中には「栄養補給系のゼリーしか口にできなかった」という妊婦さんもいるようです。そこで気になるのが、ゼリーに含まれるビタミンAについてです。

たとえば栄養補給ゼリーで有名な「inゼリー(エネルギー)」は、1袋あたりに含まれるビタミンAの量は45~120㎍ほど。1日5袋飲んだとしてもビタミンA推奨量ていどの摂取量におさまります。

ビタミンA耐容上限量に関しては、1日に23袋以上飲まなければ上限量を超えない計算になりますね。

そのため、つわり中の妊婦さんが1日数袋ていどinゼリーを飲んだとしても、ビタミンAの過剰摂取になることはありませんのでご安心ください。

ただし、「inゼリー(マルチビタミン)」は1袋でビタミンAが770~1,367㎍含まれています。1袋飲むだけでビタミンA推奨量を超えてしまうので、商品選びは要注意。つわり中はこれ以外の種類にしましょう。

なお栄養補給ゼリーの中でもビタミンAを多く含む商品は、「ビタミンAを含みますので妊娠3カ月以内または妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないように注意してください。」と表記されています。

栄養補給タイプのゼリーを買うときは、表記をしっかり確認しましょう。

授乳中もうなぎをガマンするべき?

授乳中の赤ちゃん

画像:授乳中の赤ちゃん(phto AC)

妊娠中は食べる量を控える必要があるうなぎですが、出産後の授乳中はどうなのでしょうか?

「ビタミンAは赤ちゃんの成長にするの?」と心配する人や、産後の体調や母乳の質への影響について、助産師さんに聞きました。

うなぎを食べると母乳の質が悪くなる?

結論からいうと、授乳中にうなぎを食べても母乳の質が悪くなることはありません。病院によっては、産後の病院食にうなぎを提供してくれるところもあるほどです。

うなぎには赤ちゃんの成長にとってだいじな栄養素が豊富にふくまれている食品。ビタミンAをはじめ、ビタミンB1、B2、E、Dのほか、カルシウム、鉄分、亜鉛、脂質(DHA、EPA)、コラーゲンなどの栄養素が含まれています。

カルシウム、鉄分は産後のお母さんに不足しがちな栄養素ですし、ビタミンDや魚由来の脂肪(DHA、EPAなど)は赤ちゃんの体にもメリットがあります。そんなうなぎは授乳中にぴったりの食べ物といえるでしょう。

授乳中はどれくらい食べてもいいの?

うなぎは授乳中に必要なビタミンAの摂取量を簡単に満たしてくれる食べ物です。

・授乳中に必要なビタミンAの摂取量:1日の推奨量1,100~1,150㎍

・授乳中に食べるうなぎの適量:1日あたり80g程度(約1,200㎍)

なお、授乳中にお母さんがビタミンAを摂取しすぎても、母乳中のビタミンAの量はわずか。そのため、母乳を飲んだ赤ちゃんがビタミンAの過剰摂取になるとは考えにくいでしょう。

ただし赤ちゃんに悪影響がないからといって油断は禁物。ビタミンAを過剰摂取し続けると、頭痛、発熱、吐き気、嘔吐、下痢などの症状があらわれるおそれがあるからです。授乳中も、うなぎを食べるときはビタミンAの推奨量に収まるくらいの量で楽しむことをおすすめします。

うなぎを食べると乳腺炎になりやすくなる?

結論からいうと、うなぎによって乳腺炎を引き起こすことはありません。

うなぎは脂質も高い食品なので「乳腺炎になりやすくなる」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、これは過去の情報であり現在は特定の食べ物が乳腺炎の原因になるという科学的根拠はないのです。

授乳中はインスタントやファストフードなど控えめにしたい食品もありますが、これらも絶対禁止というわけではありません。

しかし、好きなものを好きなだけ食べてよいわけではないので、赤ちゃんに栄養価の高い母乳をあげるためにも、バランスの良い食事を心がけましょう。

どうしてもうなぎが食べたくなったら

画像:うなぎもどき(うなぎ風レシピ「ナスの蒲焼き」)

これまでの情報から、妊娠中はうなぎを食べすぎない方がいいということがわかりました。

しかし「少量のうなぎではなく、どうしてもガッツリ食べたい!」という方もいますよね。

そんな時は「うなぎもどき」を作ってみてはいかがでしょう。「うなぎもどき」は豆腐やはんぺん、山芋などを材料にした、うなぎを食べた気になるレシピのこと。材料を吟味すれば、カロリーを抑えつつたんぱく質をたくさん摂取できます。

ただし、うなぎのタレは塩分をたくさん含んでいるのでそこは要注意です。特に妊娠中は塩分のとりすぎによりむくみや体重増加、妊娠高血圧症候群を引き起こしやすくなるので、タレのかけすぎには注意しましょう。

タレを控えめにするコツは、上からかけるのではなく表面全体にサッと塗ること。このひと手間で、タレの量を抑えつつおいしく食べることができますよ。

また、どうしても本物のうなぎにこだわりたい人は、うなぎのにぎりすしを食べるという方法もおすすめです。このスタイルならうなぎが小分けにできるので、摂取量が管理しやすくなりますよ。

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◇構成・編集:salvia編集部

◇執筆:田辺亜美(助産師・看護師)

【田辺亜美のプロフィール】

総合周産期母子医療センターに助産師として勤務のほか、産婦人科や小児科クリニックも経験。

◇記事監修:さくら さき[Sakura Saki](内科医師)

【さくらさきのプロフィール】国立大医学部卒業、内科医師として総合病院、大学病院などに勤務。10年以上大学病院や急性期病院などで診療にあたり、妊娠糖尿病を中心に妊婦の診療にもあたる。<医師免許、糖尿病専門医、内分泌内科専門医>

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