―主婦生活をもっと楽しくもっと楽にー
料理家事 レシピ

発酵生姜の作り方|簡単なのに「料理研究家レベル」の出来映え!

普通の生姜よりマイルドで旨味が高まる発酵生姜。この万能調味料の簡単な作り方や保存方法、失敗しないコツを解説します。カビやボツリヌス菌の危険性も説明するので、初めてでも安心。薬味や炒め物、ドレッシングなど基本の食べ方や料理レシピも紹介します。

目次
発酵生姜とは
発酵生姜の作り方|材料・手順
発酵生姜で失敗しやすいポイント
保存方法と賞味期限
危険性や調理にまつわる疑問
ボツリヌス菌が危険というウワサ
ヨーグルトメーカーは使える?
発酵生姜を使ったレシピ4選
1.なすの生姜焼き
2.生姜ゴマだれ
3.アボカドとカツオの生姜ポキ
4.ねぎと生姜のかきたまスープ
発酵生姜の効果とおすすめの食べ方
使い方と栄養について
生姜チューブとの違い

※この記事は「発酵食スペシャリスト」によって執筆されたもので、レシピも提供してもらいました。

発酵生姜とは

発酵生姜をスプーンですくう

撮影:発酵生姜をスプーンですくう(satomi /発酵食スペシャリスト)

発酵生姜とは、生の生姜を乳酸菌の働きでじっくり発酵させた食品です。発酵の過程で生姜の辛味成分が分解されるため、生の生姜よりも辛味や香りがまろやかになり、奥深い旨味が加わります。

皮を剥かずに使うのが特徴で、生姜の皮には天然の乳酸菌が多く付着しており、発酵をスムーズに進めます。また、皮には食物繊維も豊富に含まれ、腸内環境の改善にも役立つとされています。

類似した発酵食品に「生姜麹」がありますが、生姜麹は米麹を加えて発酵させるのに対し、発酵生姜は麹を使わず、生姜に由来する乳酸菌だけで発酵させます。そのため、生姜の風味をよりダイレクトに楽しめるのが魅力です。

発酵生姜の作り方|材料・手順

発酵しょうがの材料

撮影:生姜とおろし金と保存瓶(satomi /発酵食スペシャリスト)

◆材料

・生姜 お好みの分量

◆道具

・保存瓶(フタ付きで密閉可能なもの)

・おろし金(またはフードプロセッサーやブレンダー)

・スプーン

・ラップ

【下準備】

手を清潔に洗う。保存瓶とフタは熱湯消毒または食品用アルコールで消毒し、完全に乾かしておく。調理器具もよく洗い、清潔な状態にしておく。

【作り方】

1.生姜を皮ごとよく洗い、土や汚れを落とす。汚れが気になる部分はタワシなどでこすり洗いする。洗った生姜はペーパータオルで水気をしっかり拭き取る。

2.皮の硬い部分や黒ずみ、傷んだ部分をスプーンでこそげ取るか、包丁で切り落とす。

生姜の汚れをスプーンでそぎ落とす

3.生姜を皮ごとすりおろす。フードプロセッサーやブレンダーなどを使うと時短になる。

しょうがをすりおろす

4.保存瓶に、〔3〕をおろし汁ごと瓶いっぱいに詰める。スプーンなどで生姜を押しこみながら、空気が入らないよう隙間なく詰めるのがポイント。瓶の上まで満たない場合は、生姜の上にラップを密着させ、空気に触れないようにする。

発酵しょうがを瓶に詰める

5.フタをしっかり閉め、冷蔵庫で2週間発酵させて完成。発酵中はフタを開けたり瓶を傾けたりしないように注意する。

完成した発酵生姜

発酵生姜で失敗しやすいポイント

発酵生姜作りで最も大切なのは 雑菌の混入や繁殖を防ぐこと です。以下の点に注意しましょう。

生姜を洗った後は水気を切る

撮影:生姜の水気を拭き取る(satomi /発酵食スペシャリスト)

手や調理器具の清潔さ

作業前には手をよく洗い、保存瓶やフタは熱湯消毒や食品用アルコールで殺菌しましょう。

生姜の洗浄と水気

生姜は土や汚れが残らないように丁寧に洗い、水気を完全に拭き取ります。汚れや水分が残ると雑菌が入りやすく、発酵の妨げとなることがあります。

発酵中の瓶の扱い

発酵中はフタを開けたり瓶を傾けたりしないこと。雑菌混入や発酵の失敗の原因になります。

生姜の鮮度

古くなった生姜では皮に付着している乳酸菌の働きが弱まり、発酵が進まないことがあります。できるだけ新鮮なものを使いましょう。

保存方法と賞味期限

詰めたらラップをする

撮影:ラップをする(satomi /発酵食スペシャリスト)

保存期間

完成した発酵生姜は、冷蔵庫で約半年保存可能です。

長持ちさせるコツ

清潔なスプーンや箸で必要な分だけ取り出し、使用後は瓶のフチについた発酵生姜をきれいに拭き取ってすぐに冷蔵庫に戻すことです。これにより雑菌の繁殖を防ぎ、風味や品質を保てます。

腐敗の見分け方

青や黒いカビ、刺激臭や異臭、ぬめり、苦味やえぐみの発生は腐敗している証拠です。

一方、酸化による茶色や赤色への変色や、表面にできる薄い白い膜(産膜酵母)は正常な変化なので心配はいりません。

完成直後だけでなく、保存期間中は定期的に状態を確認し、少しでも異常を感じたら食べずに処分するようにしましょう。

保存中の注意

冷凍保存も可能です。ただし、瓶のまま冷凍すると取り出しにくいため、冷凍用保存袋に移し替えるのがおすすめ。冷凍後でも必要な分だけ取り出せて使い勝手が良くなります。

危険性や調理にまつわる疑問

瓶を消毒する

撮影:保存用の瓶を消毒する(satomi /発酵食スペシャリスト)

ボツリヌス菌が危険というウワサ

密封状態で発酵させることから、ボツリヌス菌の繁殖を心配する声もあるようです。

しかし、乳酸発酵により乳酸菌優位の環境が作られるため、ボツリヌス菌をはじめとする有害な雑菌の増殖は抑えられます。これにより、リスクは非常に低くなるとされています。

ただし、より安心して楽しむためには、調理時の清潔な環境づくりと適切な保存が不可欠です。もし異常な変化があれば、無理に食べずに処分するようにしましょう。

ヨーグルトメーカーは使える?

ヨーグルトメーカーでの発酵はおすすめできません。

加温することで乳酸菌以外の雑菌も活発になり、本来の乳酸発酵がうまく進まないだけでなく、腐敗のリスクも高まります。

冷蔵庫の低温でじっくり2週間発酵させることで、雑菌の増殖を抑えつつ、安全においしく仕上がります。

発酵生姜を使ったレシピ4選

1.なすの生姜焼き

発酵生姜を使った料理

画像:発酵生姜を加熱で使うレシピ(satomi /発酵食スペシャリスト)

なすのとろっとした食感に、発酵生姜の豊かな風味が加わって、ご飯との相性抜群。いつもの生姜焼きがワンランクアップする一皿です。

◆材料(2人分)

・なす 2本

・片栗粉 適量

【A】発酵生姜 小2、醤油 大1、酒 大1、みりん 大1、砂糖 小1

・サラダ油 適量

・大葉(千切り) 適量

【作り方】

1.なすはヘタを取って縦に薄切りにし、片栗粉をまぶす。Aを合わせておく。

2.フライパンに油を熱し、中火でなすを焼く。

3.なすの両面がこんがりしたらAを加え、全体にからめる。器に盛り、大葉を乗せて完成。

※なすのアクが気になる場合は10分程水にさらし、ペーパータオルなどで水気をしっかり拭き取ってください。調味料を入れるときはやや火を弱め、なすを焦がさないように注意してください。

2.生姜ゴマだれ

発酵生姜で作る生姜ゴマだれ

画像:発酵生姜を加熱せずそのまま使うレシピ(satomi /発酵食スペシャリスト)

発酵生姜の爽やかな辛味がゴマの濃厚さをすっきりと引き締め、食欲が落ちがちな夏や残暑の時期にぴったり。冷奴や温野菜、蒸し鶏など、幅広い料理に使えます。

◆材料(作りやすい分量)

・発酵生姜:大さじ1

・白すりごま:大さじ4

・醤油:大さじ2

・酢:大さじ1

・砂糖:大さじ1と1/2

・ごま油 大さじ1

【作り方】

全ての材料をボウルに入れ、なめらかになるまでよく混ぜ合わせるだけで簡単。冷蔵庫で1週間ほど保存可能です。

3.アボカドとカツオの生姜ポキ

アボカドとカツオの生姜ポキ

画像:発酵生姜を使った美肌に導くレシピ(satomi /発酵食スペシャリスト)

カツオの豊かなタンパク質とアボカドの濃厚な旨味に、発酵生姜の爽やかな風味が絶妙なアクセント。美肌にうれしい栄養もたっぷり摂れる、ヘルシーなのに満足感のある一品です。

◆材料(2人分)

・カツオ(刺身用)1柵(約150g)

・アボカド 1個

【A】醤油 大1、みりん 大1、発酵生姜 小2、ごま油 小2

・白いりごま・小ねぎ(小口切り) 適量

【作り方】

1.カツオとアボカドは1.5cm角に切る。

2.ボウルに【A】を入れて混ぜ合わせる。

3.〔1〕を加えてざっくり和える。器に盛り、白いりごまと小ねぎを散らして完成。

※アボカドの変色が気になる場合は、レモン汁をまぶしてください。ご飯に乗せて丼にしてもおいしくいただけます。

4.ねぎと生姜のかきたまスープ

ねぎと生姜のかきたまスープ

画像:発酵生姜を使った風邪のときにおすすめレシピ(satomi /発酵食スペシャリスト)

風邪のときや、冷房で冷えた体にもぴったりなお手軽癒しスープ。ねぎの香りと卵のふんわり食感に、発酵生姜の穏やかな辛味が溶け合い、体を芯から温めてくれます。

◆材料(2人分)

・ねぎ 1/2本

・溶き卵 1個分

・水 400ml

・鶏がらスープの素 大さじ1/2

・醤油 小さじ1

・発酵生姜 小さじ2

・水溶き片栗粉(片栗粉・水 各大さじ1) 

・黒胡椒 適量

【作り方】

1.ねぎを斜め薄切りにする。

2.鍋に水、鶏がらスープの素、醤油を入れて中火にかけ、沸騰したら1を入れて2〜3分ほど煮る。

3.発酵生姜を入れてひと混ぜしたら、水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつける。

4.溶き卵を中心から円を描くように回し入れたら弱火にし、白く固まってきたら全体を混ぜ合わせる。器に盛り、黒胡椒を振って完成。

※味見をして薄い場合は、塩で調整してください。溶き卵を入れたらすぐに触らず、卵が固まってきてからさっくり混ぜるとふんわりと仕上がります。お好みでごま油やラー油を加えても◎

発酵生姜の効果とおすすめの食べ方

生姜チューブと生の生姜

画像:チューブタイプのしょうがと生の生姜(satomi /発酵食スペシャリスト)

使い方と栄養について

発酵生姜は、普通の生姜や生姜チューブと同様に、さまざまな料理に使えます。

薬味として料理に添えたり、和え物に混ぜたり、炒め物や煮物に加えたりと使い方は自由自在。ドレッシングに加えたり、お茶やお湯に入れてドリンクとして飲むのもおすすめです。

発酵生姜を加熱調理すると乳酸菌は減少しますが、死滅した菌も腸内細菌のエサとなるため、腸内環境を整える効果は残ります。また、加熱により生姜の体を温める効果が高まるため、風邪予防や冷え性改善には加熱調理が効果的といえます。

一方、非加熱なら発酵由来の生きた乳酸菌を直接摂取でき、腸内環境の改善により期待できます。得たい効果や目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

生姜チューブとの違い

生姜チューブは手軽で便利ですが、発酵生姜とは味や栄養、健康へのメリットに違いがあります。

生姜チューブは加熱・加工の過程で生姜本来の風味が弱まり、一部の栄養素も損なわれがち。原料には調味料や添加物などが含まれることが多く、生姜の自然な味わいよりも、塩味や酸味など調味料の風味が前面に出やすいのが特徴です。

一方、発酵生姜は生の生姜を自然に乳酸発酵させるため、生姜の栄養がそのまま保たれます。さらに発酵により乳酸菌や食物繊維が増加し、辛味がまろやかになり、深い旨味と爽やかな酸味が加わります。

健康面では、乳酸菌の働きで生姜の栄養が体に吸収されやすくなり、腸内環境を整える効果も期待できます。素材本来の力を活かして作られる発酵生姜は、おいしいだけでなく、安心して日々の食事に取り入れられるのが大きな魅力です。

普通の生姜と違い、乳酸発酵によって辛味や香りが和らぎ、豊かな旨味が加わる発酵生姜。保存性も高まるため、毎回おろしたり刻んだりする手間が省け、使いやすさが格段にアップします。

さらに、発酵によって乳酸菌が増えることで、腸内環境を整える効果が期待できるメリットも嬉しいですね。

薬味や炒め物のほか、ドレッシングやドリンクにも手軽に使えるので、常備しておけばとても便利です。毎日の料理に気軽に取り入れてみてはいかがでしょう。


◇レシピ考案・撮影・文:satomi(発酵食スペシャリスト)

◇構成案・編集:salvia編集部

◆この記事を読んだ人が気になる「しょうが」の記事

生姜のカビ「取り除けば食べられる?捨てる?」見分け方も解説!

この記事に関するタグ


レシピ