※この記事は薬剤師によって執筆されたものです。
たんぱく質の必要性と継続摂取の重要性

画像イメージ:プロテインを持つ(photo AC)
「たんぱく質がとれる水」(Cycle.me/サイクルミー)の商品をチェックする前に、たんぱく質とは何か?その役割や必要性について簡単に整理しました。
体を作る「材料」となる栄養素
たんぱく質は、肉や臓器、皮膚、髪、爪など、体を作る材料になる大切な栄養素です。
さらに、体の機能を調整する酵素やホルモンや、免疫細胞(抗体)などもたんぱく質から作られています。私たちの生命活動にたんぱく質は欠かせないことがわかります。
夏バテ・熱中症対策にも欠かせない
筋肉は、体の中で最も水を蓄える場所です。たんぱく質が不足すると、筋肉量が減り、水分を保つ力が弱まります。その結果、脱水や熱中症のリスクが高まってしまうのです。
また筋肉が減ると、疲れやすさや体力低下、意欲低下につながります。健康的に夏を過ごすためには、筋肉量を維持できるだけのたんぱく質を毎日摂ることが大切です。
たんぱく質は「毎日コンスタントに」が鉄則
たんぱく質は脂肪や糖と違い、多くを貯めておくことはできません。一度にたくさん摂取しても、余った分は分解されてエネルギーとして使われるか排出されてしまいます。そのため、たんぱく質は毎日こまめに摂ることが重要です。
1日に必要なたんぱく質の量
1日に必要なたんぱく質の量は、年齢や性別、活動量によって異なります。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、男性18歳~64歳が65g、女性18歳~64歳が50gと記載されていますが、筋力アップを目指すなら「体重✕1.2~2.0g」必要とされる場合もあるようです。
このことから、体重1kgに対して最低1g以上(体重50kgなら1日50g以上)を目安に、たんぱく質を摂りたいことがうかがえます。
しかし、夏場は食欲が落ち、そうめんやアイス、ジュースなど「冷たくてのどごしがよい物」を選ぶことが多くなります。このような食品にはたんぱく質が少ないので、栄養が偏りがちです。
コンビニで人気の「サラダチキンバー」には、1本あたり12.2gのたんぱく質が含まれていますが、これだけで1日の必要量を満たすことはできません。このことからも、暑い夏こそ意識的にたんぱく質を摂取することが大切であることがわかります。
新商品「たんぱく質がとれる水」を薬剤師がチェック

撮影:Hanazawa(salvia writer )
2025年7月22日、「たんぱく質がとれる水」という商品が販売開始され、話題となっています。
これは毎日の水分補給からたんぱく質を摂取できるというもので、ウェルビーイングブランド「Cycle.me(サイクルミー)」とダイドードリンコの共同開発です。
販売場所は、都内一部のセブン-イレブン店舗や、アットコスメトーキョー、ティップネス、公式オンラインショップや通販など順次拡大予定とのこと。まだ購入できないエリアもあるようですね。
今回は成分についてのチェックを薬剤師に依頼しました。
成分チェック(原材料、成分)

撮影:Hanazawa(salvia writer )
「たんぱく質がとれる水」の原材料と成分は以下のとおりです。
コラーゲンペプチド(ゼラチンを含む、国内製造)、もも果汁、砂糖、酸味料、粗製海水塩化マグネシウム、甘味料(ステビア)、香料
また、1本(500ml)あたりの栄養成分は以下のとおりです。
エネルギー | 30kcal |
たんぱく質 | 6.0 g |
脂質 | 0 g |
炭水化物 | 2.0g |
食塩相当量 | 0.03g |
原材料に含まれる「コラーゲンペプチド」がたんぱく質にあたります。
※たんぱく質は、私たちの体の約20%を占めており、「コラーゲン」とはたんぱく質の一種。そのたんぱく質のうち、コラーゲンは約30%です。
「たんぱく質がとれる水」に使われている「コラーゲンペプチド」とは、コラーゲンを体に吸収されやすいように細かく分解したもの。以下のような特徴があります。
・通常のコラーゲンよりも分子が小さく、消化管から吸収されやすい。
・水に溶けやすく、沈殿しにくい
・匂いや味がほとんどない
・皮膚や関節への効果が期待できる
コラーゲンペプチドは吸収率が高いため、効率的にたんぱく質を摂取できるでしょう。水に溶けやすく、ほぼ無味無臭である点は、ペットボトル飲料や清涼飲料水、サプリメントにも利用しやすいと考えられますね。
また、消化管から吸収されたコラーゲンペプチドは血液に乗って皮膚や関節に届き、皮膚のハリや弾力を保ったり関節の不快感をやわらげたりする働きがあると報告されています。
「たんぱく質がとれる水」には、美容と健康に良い働きをする成分が使われているようです。
どこで売ってるの?味や香りもチェック

撮影:Hanazawa(salvia writer )
「たんぱく質がとれる水」(Cycle.me Water ほんのり桃)を、実際に飲んでみた感想をsalviaライターがレビューします。
香りはさわやかな桃
キャップを開けると、爽やかな桃の香りが広がります。パッケージに書かれた「ほんのり桃味」という言葉から、微かに香る程度を想像してましたが、予想に反してしっかりした香りです。
好みは分かれるかもしれませんが、筆者としては好印象で、華やかな気分に浸れました。桃の香りにリラックス効果も期待できそうです。
味は「ほんのり桃」
パッケージに書かれた通り、「ほんのり桃」の味がします。あくまで「水」なので、ジュースのような甘ったるさやベトベト感はなく、後味もスッキリ。特に物足りなさは感じませんでした。
ただし、微かに舌に残るような「もったり」とした感覚がありました。もしかしたら例えるなら、ゼリー飲料をすごく薄めたような感じでしょうか。しかし氷を入れて冷やして飲むことで、さほど気にならなくなりました。
飲みやすさ
一般的なフレーバーウォーターの感覚で、お風呂上がりやトレーニングの後にさっぱりと飲めそうです。
食欲がなくなる夏や、体調がすぐれない時にも飲みやすいので、水分補給をしながらタンパク質も摂れるとは一石二鳥ですね。しかも低カロリーなので、健康意識の高い方や、ダイエット中の女性にもおすすめです。
どこで買える?売っている場所は?
筆者は東京都内某所セブンイレブンにて購入しました。商品棚には似たようなジャンルの商品も陳列されていました。
陳列は店舗によって異なりますが、筆者が購入したセブンイレブンでは、棚の下方に陳列されていました。うっかり見落としやすいので、お探しの際はよく確認してくださいね。
撮影:Hanazawa(salvia writer )
なお、購入した時の価格は168円(消費税抜き)と、通常の500ml飲料より少しだけ高い値段です。
物価高が続く昨今、手が出しにくい人もいそうですが、水分補給をしながらたんぱく質が摂れるのは魅力的。この値段の差であれば、ダイエット中の人や運動部、成長期の子たちなど、需要はありそうですね。
たんぱく質は通常どのような食物から摂る?

画像イメージ:たんぱく質が摂れる食材とは?(photo AC)
厚生労働省の(日本人の)食事摂取基準によると、たんぱく質の1日推奨量は、18~64歳では男性65g、女性50gとされています。
たんぱく質は体をつくる大切な栄養素ですが、その構成成分であるアミノ酸の中には体内で合成できないもの(必須アミノ酸)もあります。そのため、毎日の食事で摂取する必要があるのです。
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質
たんぱく質は「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」に分けられます。
■動物性たんぱく質
必須アミノ酸(体内で合成できず、食事から摂取する必要がある9種類のアミノ酸)をバランスよく含んでおり、筋肉作りにも効果的です。
動物性たんぱく質がとれる食品
肉類(牛・豚・鶏など)、魚介類(魚、エビ、貝など)、卵、乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)、加工食品(ハム・ソーセージなど)
■植物性たんぱく質
植物性たんぱく質は、動物性に比べて脂質が少なく、食物繊維も同時に摂れるのが魅力です。
植物性たんぱく質がとれる食品
大豆製品(豆腐・納豆・豆乳など)、穀類(米・パン・パスタなど)、ナッツ・種子類(アーモンド・ごま・チアシードなど)、野菜・海藻類
健康な体を維持するためには、どちらかに偏らず、両方のたんぱく質を摂ることが重要です。
効果的なたんぱく質の摂取方法は、1日の中で数回に分けて摂ること。1度に大量に摂取せず、1回20〜30gを目安に食事ごとに摂るとよいでしょう。
また、朝や寝る前のたんぱく質摂取は筋量改善に寄与すると示唆されています。寝る前のたんぱく質摂取については、就寝中の筋肉合成を促すことが期待されています。
「たんぱく質がとれる水」のメリット!デメリットは?
撮影協力:Hanazawa(salvia writer )
食事で十分なたんぱく質をとれない場合、サプリメント(プロテイン)や栄養補助食品などからたんぱく質を補充するのがおすすめです。
そこで、本章では「たんぱく質がとれる水」でたんぱく質を摂取するメリットと注意点についてまとめました。
「たんぱく質がとれる水」のメリット4つ
1.手軽に摂れる
忙しい日や調理する時間がない時でも、手軽にたんぱく質を補えるのが最大の魅力です。食事で不足しがちな分を「飲むだけ」で補えるので、ライフスタイルに取り入れやすいですね。
2.サプリが苦手な人も飲める
たんぱく質不足を補う手段としてプロテインがありますが、独特の味や匂い、粉っぽさが苦手という人も少なくありません。「たんぱく質がとれる水」は、無味無臭に近いため、プロテインが苦手な人にもおすすめです。
3.脱水予防にも効果的
特に夏場や体調不良時には、水分も栄養も不足しやすくなります。水分補給のついでにたんぱく質も摂れるため、効率的に体調管理ができます。
4.脂質、糖質が少なく、ダイエット中でも安心
プロテインバーや肉料理とは違い、「たんぱく質がとれる水」は脂質や糖質が少ないです。余分なカロリーを気にせずにすむため、ダイエット中にもピッタリです。
「たんぱく質がとれる水」の注意点3つ
「たんぱく質がとれる水」は手軽で便利な商品ですが、いくつかの注意点もあります。
1.たんぱく質量が多くない
一般的なプロテインパウダーは、1回分で約15~25gのたんぱく質が摂れます。一方で、「たんぱく質がとれる水」1本から摂れるたんぱく質は約6gです。この1本で1日分のたんぱく質をまかなうには不十分であるため、あくまでも食事の補助として取り入れましょう。
2.コストパフォーマンスが悪い
「たんぱく質がとれる水」の価格は、150~200円で売られていることが多いようです。毎日飲むと1か月で4,500~6,000円ほどかかります。同じ量のたんぱく質をとるなら、プロテインパウダーの方が安価です。
3.筋肉合成には不十分
この商品に含まれるたんぱく質は コラーゲンペプチドです。コラーゲンペプチドは必須アミノ酸の1つであるトリプトファンを含んでおらず、また筋肉合成に必要な「バリン、ロイシン、イソロイシン」の3つの必須アミノ酸も少なめ。運動後の筋肉増強を目的とするなら、「たんぱく質がとれる水」はあくまでも補助。たんぱく質をチャージするなら、別の選択肢(サプリメントやプロテイン)が合いそうです。
こんな人にピッタリ!

画像イメージ:健康意識の高い女性(photo AC)
「たんぱく質がとれる水」の成分や特徴などが整理できたところで、どのようなタイプの人に推奨されるかをまとめました。
自分に当てはまるか、チェックしてみてくださいね。
忙しいビジネスパーソン
仕事で忙しくて朝食を抜いていませんか?ランチもカップ麺やファーストフードに頼りがちではありませんか?栄養バランスが乱れがちな生活でも、コンビニでも購入できて、仕事中や移動中にも手軽に飲める「たんぱく質がとれる水」なら、水分を補給しながらたんぱく質もできます。
高齢者
加齢に伴って筋力の維持が難しくなってきます。食も細くなり、栄養不足になる人も多いでしょう。食事で補えない分を水分補給を兼ねて摂取できるので便利です。
ダイエット中の人
ダイエット中には余計なカロリーは避けたいものです。「たんぱく質がとれる水」はカロリー控えめなので、ダイエット中にも飲みやすいでしょう。また、運動後に飲むのも効果的。水を飲むついでにたんぱく質も摂取できるのは嬉しいですね。
美容や健康を気にしている人
「たんぱく質がとれる水」に含まれるコラーゲンペプチドは、肌のハリや関節の柔軟性に良い効果を与える可能性があります。「筋トレなど激しい運動はしていないけど、美容や健康のためにたんぱく質を摂取したい」という人におすすめです。
このように、「たんぱく質がとれる水」は、手軽にたんぱく質を摂取できる便利なアイテムです。特に夏場は水分補給をしながらたんぱく質が摂れるため、熱中症や夏バテ予防の一助にもなります。栄養バランスが偏っている人や、プロテインが苦手な人にもおすすめです。
ただし、「これさえ飲んでいれば安心」という考え方は危険です。「たんぱく質がとれる水」1本だけでは、1日に必要なたんぱく質量をまかなうことはできません。特に、筋肉を作るのに必要な必須アミノ酸が少なく、筋肉維持のために飲むには不十分です。
普段の食事にたんぱく質を取り入れることを意識し、「たんぱく質がとれる水」は補助的に利用するとよいでしょう。
画像:たんぱく質がとれる水イメージ(楽天アフィリエイト)
※本記事は専門家による執筆ですが、あくまで一般的な見解です。個人の体質や生活習慣などによって推奨の可否が異なりますので、最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。
◇記事の構成・編集/(salvia編集部)
◇執筆:渡辺ユリ/薬剤師(クリニック門前薬局・面薬局勤務、OTC販売)
◇商品撮影・レビュー章(どこで売ってるの?味や香りもチェック)執筆:Hanazawa
◇1章・4章の検収/木村奈々(管理栄養士)
・たんぱく質の必要性と継続摂取の重要性
・たんぱく質は通常どのような食物から摂る?
