※この記事は編集部の構成に基づき薬剤師が執筆しました。
目薬が喉に流れるのはなぜ?

画像:容器から1敵流れ落ちる目薬(phto AC)
目薬をさしたあと、苦みや甘みなどの「薬のような味」を感じた経験がある方はいませんか?実は、それは目薬が喉に流れているという状態です。
目と鼻は、目頭付近にある「鼻涙管(びるいかん)」と呼ばれる細い管によってつながれています。また鼻の奥は喉(咽頭)につながっています。
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イラスト(丸井てる子):「鼻涙管」の位置(説明図)
目薬をさすと、薬液の一部が鼻涙管を通って鼻、喉に流れることがあるため、苦みや薬のような味、人によっては甘いなど感じるのです。
対策は目薬を正しくさすこと!

画像:目薬を上手にさす女性(phto AC)
目薬が喉に流れないようにするために、点眼の正しい方法をマスターしましょう。
※目薬をさす前に手をせっけんと流水でよく洗うことは基本なので、手順としては省略しています。
【目薬のさし方1:基本編】
1.下まぶたを軽く下に引き、1滴を目に落とします。下まぶたに落とすイメージでさすと、目に入りやすいですよ。
2.目薬をさしたあとは、まばたきをせずにまぶたを閉じます。薬液があふれたら、清潔なガーゼやティッシュで軽く拭き取りましょう。
3.目薬をさしたらそのまま1〜5分、まぶたを閉じるか、目頭を軽く指先で押さえます。
上記の方法で手が震えてさしにくいという方は、げんこつ法という点眼方法がおすすめです。
【目薬のさし方その2:げんこつ法】
1.キャップを外した点眼容器を持ち、もう片方の手でげんこつを作ります。
2.下まぶたにげんこつをあて、軽く下に引いてください。点眼容器を持った手をげんこつに乗せて点眼すると、手が安定して薬液が目に入りやすくなります。

イラスト(丸井てる子):「げんこつ法」の目薬のさしかた
子どもの目薬がうまくさせずに困っている方もいるようですね。そこで子どもの目薬のさし方を解説します。
【子供に目薬をさすコツ】
1.子どもを仰向けで寝かせます。大人のひざに頭を乗せ、ひざ枕の状態にすると点眼しやすくなります。
2.子どもの下まぶたを下に引き、目薬を1滴落とします。下まぶたに入れるイメージで落とすと入りやすいでしょう。
3.もし子供が怖がって目を閉じてしまう場合には、目を閉じた状態で点眼し、そのあとゆっくり目を開けることで目に薬液が入りますよ。目薬をさしたあとは、頑張った子どもを褒めてあげてくださいね。
目薬をさした後のポイント
なお目薬が喉に流れるのを防ぐ方法として簡単なのは、目頭を圧迫することです。目薬をさしたあとに、目頭を1〜5分ほど軽く押さえましょう。薬液が鼻涙管に入りにくくなるため、喉に流れるのを防ぎますよ。
そして目薬をさした後に薬液があふれたら、やさしく拭き取りましょう。もし薬液が皮膚に付いたままにしてしまうと、接触性皮膚炎などの炎症を起こす可能性があります。
また目薬をさすときは容器の先がまぶたやまつ毛、目に触れないように注意してください。目に触れるのは感染症の原因を作る行為です。
まばたきは誤解!間違った方法
目薬をさしたあとに目をパチパチすると、薬液が目から流れ出てしまいます。目薬をさした後にまばたきをするのは間違っている方法なので、そっと静かに目を閉じましょう。
目薬は基本的に1回に1滴で十分効果があります。2滴、3滴と多く入れると目からあふれてしまい、目の周りが荒れるきっかけとなってしまいます。用法・用量を守って使いましょう。
目薬が喉に流れてしまったときの対処法

画像:目頭をおさえる女性のイメージ(phto AC)
もし目薬が喉に流れてしまい、目薬後に苦みや甘みなどの味を感じたりイガイガなどの違和感があったりしたら、うがいをして流しましょう。
微量なので飲み込んでも問題はありませんが、薬の成分が鼻の毛細血管や口腔内から全身に回り、体に悪影響をおよぼすおそれもあります。特に緑内障用の目薬にはぜんそくを悪化させたり、血圧の薬の効果を強めたりするものもあるため、注意が必要です。
また甘みを感じるのは、目薬に含まれるグリチルリチン酸二カリウムという成分が、鼻を通って喉に流れるためです。グリチルリチン酸二カリウムには優れた消炎効果があります。目の痒みや炎症を抑える目的で、目薬に配合されています。
なお妊娠中の場合は目薬に限らず薬の使用には注意が必要です。目薬は内服薬に比べて微量であり、全身への影響は少ないと考えられていますが、絶対に安全というわけではありませんので、妊娠中の目薬の使用は必要最低限にしましょう。もし目薬が必要な場合は医師や薬剤師に相談すると安心ですよ。
また目薬が鼻や喉に流れるということは、目に留まる薬の量が減ってしまい、薬の効果が十分に得られない可能性があることも覚えておきましょう。
目薬を正しく扱おう

画像:目薬の容器と外れたキャップ(phto AC)
目薬が鼻や喉に流れるのを防ぐためには、正しい方法で点眼する必要があります。また点眼方法だけでなく、目薬の使用期限や正しい保管方法についても理解しておきましょう。
開封前の目薬の使用期限は、箱や本体に記載されています。開封後の目薬の場合、使用期限は2〜3カ月ていどです。目薬の種類によっては、1〜2カ月と短いものもあるため注意しましょう。
使用期限が切れた目薬や、保管状況が悪い目薬は使用を控えましょう。薬の効果が十分に得られなかったり、成分が劣化して目の炎症を引き起こしたりするリスクがあるからです。
目薬の保管は直射日光を避け、風通しのよい場所で管理しましょう。高温・低温、湿度の高い場所で保管すると、品質が低下する恐れがあります。
特に冷所保存の禁止が記載されていなければ、冷蔵庫で保管しても構いません。冷蔵庫で保存する場合は凍結しないように注意しましょう。目薬が一度凍結してしまうと、成分が変質し、使用できなくなる恐れがあることも覚えておきましょう。
目薬によって、使用期限が短いことや保管温度に指定があることがあります。不明な点があれば、医師や薬剤師に相談してくださいね。
◇執筆:渡辺ユリ/薬剤師(クリニック門前薬局・面薬局勤務、OTC販売)
◇記事の構成・編集/(salvia編集部)