※この記事は、編集部による構成のもと、ヨガインストラクターによって執筆されました。
ダイエット停滞期にヨガがいいって本当?

ヨガがもたらすダイエットの効果
ヨガでは「体と心のバランスを整えること」を大切にしています。
そのため「ヨガ=単にやせるためのエクササイズ」という考え方は誤解です。
しかし、正しく行えば健康や痩身につながることも事実なので、ダイエットにヨガを取り入れるメリットを解説していきます。
・自律神経のバランスを整える
深い呼吸を意識しながら行うため、自律神経のバランスが整う。ダイエット停滞期のイライラを軽減し、リラックス効果が期待できる。
・肉体のバランスを整える
基本的に「体側伸ばし」「前屈」「後屈」「ねじり」「バランス」「上下逆転」と体を全方向に伸ばすので、骨格の左右バランスが整う。姿勢も美しくなるので、シルエットがスッキリと見えることも。
・血行促進
深い呼吸と伸展効果により血流が促進され、女性に多い不調(肌のくすみ、冷え、むくみ、コリ等)の軽減につながる。
・代謝の促進
太もも〔太腿(だいたい)〕などの大きな筋肉に負荷を与えるポーズも多いため、代謝の促進につながる。脂肪燃焼効果も高まりやすい。
・自己管理力が身につく
ポーズをとっているときの呼吸の変化や体の感覚、心理状態など、自身への観察を習慣化することで、心身からの欲求を察知しやすくなる。
※たとえば、空腹の食欲とニセの食欲を見分けられるようになること。「今、食べ物に手を伸ばそうとしているのは本当に空腹の状態だからなのか、それとも目が欲しがっているだけなのか」の違いに気づくことで、食欲をコントロールしやすくなるといったもの。
ヨガとストレッチの違いは?
一説によると、ストレッチはヨガに起源があるとのこと。数あるヨガのアーサナ(ポーズ)の中から『ケガの予防や体の可動域の拡大に有効なもの』を抽出したものだと考えられているのです。
<大きな違いといえるポイント>
・ヨガ=呼吸や心の状態にも意識を向ける
・ストレッチ=主に身体的な面に焦点を当てている
同じような動作でも、どこに意識を向けるかによって、得られる効果は変わってくるというわけですね。
おうちヨガで痩せることはできる?
自宅で行う「おうちヨガ」でも、やり方やポーズの選び方で痩身効果を期待できます。ただし、ダイエット効果を高めるためにはいくつかのポイントをおさえる必要があります。
・「ながら」エクササイズにならないように:静かに自分と向き合いながらリラックスできる環境を作ることが大切です。スマホ等の通信機器類は遠ざけ、集中できる空間を確保しましょう。
・ポーズのキープ時間をしっかり確保する:自己流だとポーズを保つ時間が短くなりがちです。「1ポーズにつき、ゆったりとした呼吸(7秒で吸って7秒で吐き出す)を4,5回繰り返す」を目安に行うことを意識するとよいでしょう。そうすることで、筋肉の表面だけではなく、深層部にもじんわりと刺激が届きやすくなります。
初心者でも簡単ヨガポーズ5選
ここからは、初心者でも比較的チャレンジしやすいシンプルなポーズを紹介していきます。
左右のバランスを整えるポーズや、大きな筋肉群に負荷を与えて代謝を高めるもの、ウエストのシェイプも期待できる内容で構成しました。
ゆったりとした呼吸で行えば、副交感神経が優位になってリラックス効果もアップ。ダイエット停滞期のイライラ解消にもおすすめです。
三日月のポーズ

画像:三日月のポーズ・手順の2番(撮影者/Tam)
ヨガ初心者の人におすすめしたいのが「体側伸ばし系」で、美姿勢・美肌を目指したい人におすすめです。
体の左右のゆがみを調整することで手足の可動域が広がり、関節の負担軽減につながります。
また肋骨周辺の呼吸筋がほぐれるため、新鮮な酸素をたっぷり取り入れることができ、血行アップが期待できます。
【やり方】
1)両足を揃えて立ちます。両手は胸元で合掌。
2)息を吸いながら合掌の手を頭上に引き上げ、吐きながら右に上体を倒していきます。こうすることで左体側が伸びていきます。
3)ゆったりと5呼吸キープ。可能であれば、鼻から吸って鼻から吐きます。息を吸うときに左の肋骨間を大きく膨らませ、吐くときにゆるめるような意識で行います。
4)戻るときは息を吸いながら体を起こし、吐いて手を胸元に戻しましょう。
5)上記の要領で、反対側も同様に行います。
前後屈のポーズ

画像:前後屈・手順の7番(撮影者/Tam)
三日月のポーズの後にやるのがおすすめ。体側を伸ばした後に行うことで、さらに背骨周辺の筋肉がほぐれ、しなやかな動作をサポートしてくれるからです。
また、体を深く前傾させることによって脚裏全体がよく伸びてリンパの流れも促進されるため、むくみが原因の下半身太り解消にも役立つでしょう。
【やり方】
1)両足は腰幅の1.5倍くらいに広げ、つま先が前方を向くように立ちます。
2)手の指先が床の方を向くようにして、両手のひらを腰の後ろに当てます。
3)息を吸いながら手のひらで腰を前に押し出すようにして軽く反ります。このとき、胸と目線は同じ方向(斜め上)を見るようにしましょう。
4)吐きながら元の姿勢に戻ります。
5)3)と4)の動作を、3セット繰り返しましょう。
6)2)の姿勢に戻ったところで改めて息を吸い、吐きながら今度は両手を前にぶら下げながら背中を丸め、ゆっくりと前屈していきます。
7)無理のない範囲で体を倒したら、指先、肩、首、顔の筋肉の力をすべてゆるめて5呼吸キープ。
8)戻るときは息を吸いながら背中を丸めて体を起こし、吐いて終了。呼吸が整うのをしばらく待ちましょう。
はばたきのポーズ

画像:はばたきのポーズ・手順の2番(撮影者/Tam)
胸を広げ、左右の肩甲骨同士をぎゅっと縮めるようにして寄せ合うポーズです。こうすることにより、肩甲骨周辺の褐色脂肪細胞が刺激されて温まりやすくなり、「燃焼しやすい体」につながっていくでしょう。背中もスッキリします。
【やり方】
1)足を腰幅ていどに開いて立ち、両手は体の後ろで親指同士を引っかけるようにしてつなぎ、手のひらが背後を向くようにします。
2)息を吸いながら手のひらを天井に向けて引きあがるところまで上げていきます。このとき、上半身が前傾しないよう、最初の立姿勢を保ちながら左右の肩甲骨同士をしっかり寄せ合うようにしましょう。
3)吐いて元の位置へ手を下ろしましょう。この要領で2)と3)を3セット繰り返します。
4)3セット目は上で手をしっかり引き上げた状態で、自然な呼吸で10秒ていどキープ。
5)終わったらゆっくりと手を下ろして開放しましょう。
イスのポーズ

画像:イスのポーズ・手順の4番(撮影者/Tam)
筋肉は基礎代謝を上げる役割があるため、体を構成する筋肉の中でも最も大きいといわれている大腿四頭筋に刺激を与えるイスのポーズを行い、「効率よく燃える体」を目指しましょう。
【やり方】
1)両足を揃えて立ちます。両手は体側におろしましょう。
2)息を吸いながら両腕を「前へならえ」のようにして前方に肩の高さまで上げていきます。
3)吐きながら、お尻を後ろに突き出すようにして両膝を曲げていきましょう。このとき、つま先よりも膝が前に出ると膝関節に負担がかかるため、しっかりとお尻を後ろに引いて、膝がつま先より前に出ないように整えます。
4)この状態でゆっくり5呼吸ほどキープ。余裕がある人は、腿と床が平行な高さになるくらい深く沈んでもよいでしょう。
5)戻るときは、息を吸いながらゆっくりと両膝を伸ばして1)の姿勢に戻り、息を吐きだして終了です。
片膝立てねじりのポーズ

画像:片膝立てねじりのポーズ・手順の4番(撮影者/Tam)
ダイエット中に陥る方も多い、便秘。体が重たく感じられて、憂鬱になってしまいますよね。そこでウエストからしっかりとねじって消化器系に刺激を与えてくれるポーズにチャレンジしてみましょう。ウエストシェイプにもつながります。
【やり方】
1)両脚を前に伸ばした長座の状態で座ります。このとき、背中が丸まらないよう、骨盤を無理のない範囲で立たせて床から天井に垂直に背筋が伸びることを意識しましょう。
2)右膝を立て、足の裏を左膝の外側の床に置きます。
3)左手で右膝を外側から持ち、右手はお尻のすぐ後ろに置きます。
4)息を吸って背筋を伸ばし、吐きながらウエストから右へねじりましょう。ここでゆったりと4呼吸ほど繰り返します。背筋がゆるまないよう、右手を支柱のように使ってキープするとより効果的です。
5)戻るときは、息を吸いながらゆっくりと上半身を正面に戻し、吐いて背筋をゆるめてリラックス。これで終了です。
6)同じ要領で反対側も行いましょう。
寝る前に痩せるヨガポーズ2選
停滞期を上手に乗り切るためには、心と体のバランスを整えることが大切です。就寝前には、副交感神経を優位にするリラックス系のポーズを取り入れてみましょう。
睡眠の質も上がり、ダイエットのストレス軽減や精神安定が期待できます。
就寝前におすすめのポーズ:両脚を前に伸ばした前屈

画像:両脚を前に伸ばした前屈・手順の3番(撮影者/Tam)
脚裏全体をしっかり伸ばすことで、下半身の血流促進やリンパの流れ促進を図ります。老廃物の排出を促すので、冷えやむくみ、“だるおも感”が気になる方はぜひお試しを。
また、顔を伏せるポーズは精神を安定させるといわれているので、1日忙しく働いた人は特に、安らかな睡眠へ意識を切り替える意味でもおすすめです。
【やり方】
1) 両脚を揃えて前に伸ばします。骨盤が後傾してしまうと脚裏への刺激が弱くなるため、骨盤はしっかり立たせて準備しましょう。余裕がある人は、両脚のかかとを前に突き出すようにしてつま先を天井に向けておきます。両手は腿の上に乗せましょう。
2)息を吸って背筋を伸ばし、吐きながら両手を足首方向にすべらせるようにして体を前屈していきます。このとき、できるだけ膝は伸ばしたまま、膝裏を床に押し付けるようにして行いましょう。
3)「これ以上は倒せない」というところまで来たら、そこで肩の力を抜いて顔を伏せ、呼吸をゆったり4セットていど繰り返します。
4)戻るときは、息を吸いながら背中を丸めてゆっくりと元の位置に上半身を起こしていきます。戻ったら、一息吐いてリラックス。これで終了です。
寝ながらできるヨガポーズ:シャバアーサナ

画像:シャバアーサナ・手順の6番(撮影者/Tam)
一日の疲れをリセットして全身をゆるめる、くつろぎのポーズです。自分の心と体からの声に、静かに耳を傾ける時間を持つことで、ストレスから解放されていきます。
【やり方】
1)脚は腰幅よりも広く開き、両腕も体側に投げ出して、手のひらは天井に向けます。
2)両脚に意識を向けます。つま先から腿の付け根まで、だらーんと重たくなっていくのを感じます。
3)両腕に意識を向けます。肩から指の先まで、だらーんと重たくなっていくのを感じます。
4)お尻から腰、背中、肩、そしてお腹から胸の順番でゆったりと力が抜けて、床に体が沈んでいくようにイメージします。
5)最後に首、顔の順番でふんわりと力をゆるめます。
6)上記プロセスで体全体の力を抜き、楽な呼吸を繰り返しましょう。このまま2,3分ていど休みます。
7)目覚めるときは、つま先や指先から少しずつ体を動かした後、両膝を立てて左右にパタン、パタンと倒して体を覚醒します。これで心身リフレッシュ。
仕上げは「口角上げ」で心地よい眠りを
シャバアーサナを終えて眠りに入る直前、口角を少し上げた「微笑」の口元を作りましょう。
口角を上げることで脳が「快楽」と判断し、幸せホルモンのセロトニンが分泌されやすくなるのです。ダイエットのストレスもリセットされてよいですね。
幸福感で満たされた睡眠は、美と健康にも欠かせないもの。眠る前の儀式としてぜひ取り入れてみてくださいね。
ヨガで痩せる人と痩せない人の違い

先述したように、「ヨガ=痩せるためのエクササイズ」ではありません。
しかし、ヨガを通じて実際に痩せた人もいますし、ダイエットの停滞期に取り入れることで再び体重が減りはじめたという声もあります。
そこで、ヨガで痩せる人と痩せない人の違いを確認してみましょう。
ヨガで痩せる人の特徴
ヨガでダイエット効果をあげやすいのは、これまで述べてきた「ヨガの基本的な意味」をきちんと理解している人といえるでしょう。
大切なことは「体重の増減を気にする前に、まずは自分の心と体を大切に扱う」意識を持つこと。
・「今、本当に空腹なのか」
・「今、本当にこの食べ物が私の体に必要なのか」
・「今、このポーズをとっているとき、体のどの部分が心地よいか」
自分自身のことを少しだけ立ち止まって考えることで、適切な食欲コントロールや、そのときの体調に合ったポーズの選択ができるようになっていきます。
ヨガを取り入れたダイエットに成功する人は、「無理をしない」「周りの価値観ではなく、自分がどうありたいか」といった考え方も大切にしています。自分でダイエットの様々な選択を楽しめるとよいですね。
ヨガで痩せない人の特徴
「ヨガさえやれば痩せられる」と誤った解釈をしたり、顕著な効果がすぐに出ないとあきらめてしまったりする人は、効果を実感しにくいかもしれません。
時間をかけて太った場合は、同じように時間をかけて内側から改善をしていくことが、心身に負担の少ないダイエットといえるでしょう。
ダイエット停滞期は「自分を賢くいたわる時期」

「ダイエット停滞期」は、ダイエットが進行していれば多くの人が通るプロセスなので、ある意味、成功に近づいているともいえます。
自暴自棄にならず、体重減少以外の部分に意識を注ぐようにしましょう。
例えば、深呼吸で新鮮な酸素を取り入れて血流促進を図り、内側から元気に輝く美肌を目指すことも可能です。また、良質なたんぱく質やカルシウムを摂取してボディメイクに磨きをかけ、自分自身のトータルケアを行う時期ととらえるのもポジティブでよいですね。
ゆったりとした気分で心と体が喜ぶことをしてあげることも、健康的にダイエットを成功させる秘訣といえるでしょう。
理想のスタイルを実現する日を楽しみに、マイペースに進んでくださいね。
◇執筆:佐和山薫(ヨガインストラクター歴19年)
【 佐和山薫 のプロフィール】
保有資格:介護予防運動指導員 シナプソロジーインストラクター
スポーツクラブや自治体サークル、イベント等で、様々な年代の方々へのレッスン担当実績あり。また、「健やかに年齢を重ね、将来要介護状態にならないように元気な心と体をつくる」ことを目指し、介護予防のための運動指導も行っています。ダイエットや体力づくりなど、美しく健やかな生活ができるよう、様々な情報を発信しています。
◇撮影・画像提供:Tam ≪RYT200(Registered Yoga Teacher 200)修了≫
◇イメージ写真:photo-AC