※この記事は有資格者(管理栄養士)に質問し、その情報を参考に構成・執筆しました。
プロテインは冷蔵庫保存が必要?

プロテインの粉は、パッケージの裏側に「直射日光および高温多湿な場所を避けて保管ください」とあるように、常温保管で大丈夫なものとみなされています。
しかし、開封の有無によって状態が異なるため、冷蔵保存が有効な場合もあります。そこで、まずはプロテインの賞味期限・消費期限について、確認していきましょう。
プロテインの賞味期限
プロテインは「消費期限」ではなく「賞味期限」で記載されていることがほとんどです。一般的に賞味期限の設定は、製造年月日から約2年(未開封)。これは、プロテインの安全性を問うものではなく、おいしく飲める期間のことです。
賞味期限が切れたとしても、すぐに飲めなくなるわけではありません。気になる効果も、タンパク質の量に大きな変化はなし。ただしビタミンや脂質が酸化することで、味や効果がダウンすることはあります。
なお、賞味期限は、開封の有無や保存状況によって変わるので、しっかり把握しておきましょう。
未開封の場合の賞味期限:商品パッケージに記載の通り(おおむね製造年月日から2年)
開封後の賞味期限:開封後、長くても2カ月以内
プロテインは腐るのか?
そもそもプロテインは腐るものなのでしょうか?ここでは、腐敗の有無を状態別に確認していきます。
未開封の場合:通常は腐らない(保存状態により腐敗することも)
開封後の場合:ダニやカビの発生と繁殖、酸化などの懸念
作ったプロテイン:腐る
プロテインの粉は、パッケージによって品質が保たれているため、未開封のものであれば通常は腐りません。ただし、直射日光に当たる場所や高温多湿の場所に置きつづけた場合、安全の保証はできません。
しかし一度でも開封してしまうと、商品の劣化はいなめません。空気にふれることによって外気の影響を受けるようになるからです。開封後に濡れたスプーンを使用したり、数カ月放置したりしても、腐ることがあります。
またプロテインの粉を水や牛乳で溶き、作った状態にすると、腐ります。プロテインは栄養価が高いので、栄養と水分がそろった時点で、細菌は繁殖しやすい状況。さらに温度管理に不備があると、細菌の増殖を加速させてしまうからです。
一度作ってしまったものは「作り置き」は厳禁。水分と混ざった状態ですと、保存状態が悪いと1時間でも腐りますし、栄養効果も下がります。一時的に冷蔵庫に入れたとしても、その日のうちに処分しましょう。
腐ったプロテインの見分け方
プロテインの粉が腐ると、異臭や悪臭がします。またサラサラとしていた粉がベタベタし、固まっているときも危険です。「いつもと何かが違う?」と感じたときには、処分するのが安全です。
<プロテインが腐ったときの状態>
・異臭(アンモニア臭)
・着色、膨張(ガスが発生する)
・形状の変化(固まっている*粉の場合)
・粘性の変化(ネバネバしている*作ったプロテイン)
プロテインは、賞味期限や腐敗の有無を考えると、冷蔵庫で保存すると安全。ただし、プロテインは「ダニ」や「カビ」のリスクも高いため、保存方法にもポイントがあります。あわせてそちらも確認しておきましょう。
✔CHECK
プロテインは環境・状況しだいで
冷蔵庫で保存する場合もある
プロテインにダニやカビが繁殖する危険性

プロテインは腐ることよりも、ダニやカビの発生が心配です。
ダニとカビの発生条件
■ダニは栄養豊富なプロテインを好む
ダニは、デンプンやタンパク質を含む粉ものの食品を好みます。そしてプロテインは、タンパク質を多く含む粉状の食品です。そのため、プロテインを適切に保管しないとダニが繁殖するおそれがあるのです。
◇ダニが繁殖する環境
・温度20℃〜35℃
・湿度 60%〜90%
ダニは、温度・湿度がともに高くなる6月~9月頃、特に注意が必要です。しかもダニは0.3mm~0.5mmと小さいため、パッケージに小さな穴があると、そこから中に侵入して増殖します。
■カビの発生条件は温度、湿度、栄養源
プロテインは栄養が豊富であるため、開封して酸素が入り、温度・湿度がカビの発生条件に合うと増殖してしまうのです。
◇カビが繁殖しやすい環境
・温度20℃~30℃ *25℃前後が最も活発
・湿度60%~90%
カビは湿度があがればあがるほど繁殖しやすくなります。湿度が60%以下であれば、繁殖スピードはダウンしますが、15%でも発育しないとはいいきれません。よって、6月~9月は温度・湿度がともに高くなるので要注意です。
プロテインとともにダニを飲んでしまうと……
食品のダニ増殖で怖いのが、ダニのアレルギー反応によっておこるアナフィラキシーショックです。ダニの増殖した食品を食べてしまうことで、じんましんや浮腫、腹痛、喘息や呼吸困難などの全身性アレルギー症状を引き起こしてしまいます。
ダニによる食品のアナフィラキシーショックは、小麦粉やお好み焼き粉での報告が多く、別名「パンケーキ症候群」「パンケーキシンドローム」などといわれています。その多くの事例によると、原因となった小麦粉やお好み焼き粉は、開封後、密閉せずに6カ月以上常温で保管していたとのことです。
このことから、粉製品を、開封後、密閉もせずに長時間常温放置すると、ダニ増殖のリスクが高いことが推測できます。
なお、ダニによるアナフィラキシーショックの事例は、主に粉物の食品が原因で、プロテインでの報告は2023年9月時点で確認できていません。だからといってプロテインが安全とは限らないので、開封後の管理には、注意が必用です。
プロテインの中のダニやカビの見分け方
粉物は、ダニやカビが混ざっていてもわかりにくいものです。そこで、見分けるポイントを整理しておきましょう。
<ダニを見分ける方法>
ダニが発生したプロテインは、実は肉眼でもわかります。ダニがいると、粉がカサカサと動きます。見分けるときは、お皿や黒い紙などにプロテインを出して、動きがあるかどうかをチェックしてみましょう。また袋に耳をあてて「カサカサ」音がする場合も、ダニの増殖がうたがわれます。
<カビを見分ける方法>
カビが発生しているかの確認方法は、粉が固まっている部分がある、カビ臭がするなどです。この場合は使用を中止し、プロテインを破棄してください。
ダニによるアナフィラキシーショックも怖いですが、カビを食べても、下痢や腹痛といった食中毒のおそれがあります。しかも長期間摂取し続けることで、アレルギーを引き起こしたり、ガンの原因になったりすることも。
開封後にダニやカビが発生するまでの期間
市販のプロテインは、個人で購入するなら多くても1パック1kg~2kgていど。毎日摂取しても、1カ月から2カ月弱で消費できる量です。これを逆算して考えると、保存状態がよければ、1カ月は安心、2カ月以内なら大丈夫という感覚であると予測されます。
ただし、「ダニやカビが発生するのは○カ月」「○○日以内なら安全」という明記はありません。保存状態に左右されることを認識しておきましょう。
✔CHECK
保存状態の悪いプロテインには
ダニとカビが増殖しやすい……
プロテインの保存容器は?冷蔵庫に入れるときの注意

ダニやカビが繁殖しやすい温度(20℃〜35℃)に対して、冷蔵庫の温度は2℃~5℃。季節によっては、ダニやカビ対策を考えるなら、プロテイン(開封後)は冷蔵庫で保存すると安心ですよね。
保存容器は100均の商品でも大丈夫?
保存容器は、密閉できるものなら100均で購入した安価な製品でもかまいません。コンテナタイプであればふたがしっかりと閉じられるものがよいです。袋タイプであれば地厚でチャックが付いているものがよいですが、少しでも穴があくと劣化が進むので、できれば容器タイプの方が安心です。
ただし、機密性は高い方がよいので、ニトリや無印、カインズホームなどで購入する人も。
密閉できる容器に加えて、珪藻土スプーンやスティックタイプの珪藻土、食品用の乾燥剤を入れるのもコツ。ただしお菓子に入っていた乾燥剤はすでに機能しない場合もあるので、リサイクルは避けましょう。
また2kgや3kgという大容量のプロテインは、小分けにするのがおすすめです。いずれにしても、使用する容器は、清潔でしっかりと乾燥させてから使用してください。
冷蔵庫内のどこに入れるのか?
プロテインは原則として「常温保存」とされているものです。ダニやカビ対策として冷蔵保存は有効とはいえ、結露や霜が品質に影響することもあります。冷蔵庫内にしまう場合は、冷気の吹き出し口を避けて、温度変化の少ない奥の方へ入れるのが理想的。通常の冷蔵室より湿度が高めな野菜室は避けましょう。
冷蔵庫で保存したプロテインを常温に出すと、温度変化により結露が発生することがあります。結露はカビの発生原因になるため、プロテインの冷蔵庫からの出し入れは最小限に控えた方がよいでしょう。
ちなみにプロテインは「冷凍庫」で保存することもできます。粉が固まることもありませんし、細菌やカビ、ダニ対策にも対応。冷凍庫の温度に耐えられる保存容器であれば大丈夫なので、1週間ごとにフリージングバッグに入れて保存するのもひとつの知恵ですね。
✔CHECK
ただ冷蔵庫に入れるのはNG!
保存容器を使って湿気も避ける
プロテインを常温保存するときの注意点

プロテイン商品の多くは、常温保存が推奨されています。本来、保存条件や注意点を守れば、冷蔵庫は使わず、常温で大丈夫なのです。
常温保存するときの容器
食品の品質低下には、光、酸素、温度、湿度が関係します。開封前であれば、パッケージが食品を外の環境から保護しますが、完全とはいえません。未開封であっても直射日光が当たらない高温・多湿を避けた場所での保管が必要です。
市販されているプロテインの多くは、パッケージにもとからチャックやジッパーがついています。一度開封してしまうと、その直後から劣化がはじまります。商品の包装をそのまま使う場合は、1回1回、なるべく空気を抜いてから封をしめましょう。また真空状態にできる保存容器に移し替えることもおすすめです。
開封後に常温保存する場合のダニ対策
ダニは1mm以下ととても小さいため、わずかな隙間から中へ入ってきます。商品パッケージで保存するにしても、保存容器に移し替えるにしても、密閉は死守。高温多湿の場所を避けてなるべく早めに消費しましょう。
もし開封した時期が梅雨や真夏など、温度湿度が高い季節の場合は、冷蔵庫がおすすめ。または容量が多く飲みきれない場合も、冷蔵庫に入れることをおすすめします。
なお、未開封のプロテインでも、直射日光を避けるのは必須ですよ。
プロテインは、1回20gを目安に1日1回~3回飲むと、1kgの商品で、約2週間~2カ月弱で飲みきる計算です。よって、家庭内の摂取人数や摂取ペースによっては、消費スピードが変わってきます。中には3kg~5kgという商品もあり、大容量を購入している場合は、季節に応じて小さいサイズを選ぶこともおすすめですよ。
✔CHECK
推奨の摂取量やペースで飲めば
賞味期限内に消費できる!
飲める?飲めない?の判断に迷ったら

プロテインは決して安いものではありません。消費期限の判断をする際に、「少し固まっているくらいは大丈夫かな?」とか「このくらいなら飲めるでしょう」と、安易に考えてしまう人もいます。
しかし、そもそもプロテインは肉体改造や健康維持を目的に摂取するものです。ダニやカビのリスクがあるプロテインは、体調不良をまねくおそれがあります。
「摂取する=目的に反する行為」とならないように、もったいない気持ちがあっても、怪しいものは処分。少し手間でも「作り置き」や「一晩寝かせる」ような選択もなしです。
なるべく保存状態をよくするために、環境によっては冷蔵庫に入れて保存する方法も視野にいれてみてくださいね。
✔CHECK
「健康」を意識すれば
答えは見えてくる!
◇記事の構成・編集/ 香瑚-KAKO-(salvia編集部)
◇情報提供/浅見寿子(管理栄養士)
◆この食材は冷蔵庫で保管しても大丈夫?